田端酒造
1851年(嘉永4年)に紀州藩より酒造鑑札をいただいて以来、「滴滴在心(一滴一滴に心を込めて酒を醸すこと)」を信条に160年のあいだ酒造りを続けてまいりました。 酒造りは最も美味しいお酒ができる冬季の数か月の間に仕込み(お酒を造ること)をおこないます。 仕込みが始まると蔵人は「滴滴在心」を心に刻み、昼夜の別なくそれぞれの作業を適確に進めていきます。
当蔵では蔵人の洗練された感覚を重視し、人のぬくもりが酒に伝わるように、ほとんどの工程を手作業で行っております。
【麹造りを重んじた酒造り】
日本酒の製造ではよく「一麹(いちこうじ)、二もと(にもと)、三造り(さんつくり)」といわれ、当蔵では特に、麹造りを重んじた製法にこだわりをもって仕込みをしております。 常に徹底した麹の温度管理をおこない、もっとも良い環境でもろみの発酵をうながすことにより、お米本来の甘みと上品な香り、芳醇な味とすっきりとしたのどごしをもったお酒に仕上げています。
高度な品質追求から生まれた「羅生門」の原料は、酒造りに使用する米として最高級品といわれる兵庫県吉川町特A地区の山田錦、和歌山平野を穏やかに流れる紀ノ川の伏流水、当蔵が厳選し徹底管理している酵母。その三者が織りなす絶妙の瞬間を見極める杜氏の感性と蔵人の息の合った作業からうまれた「羅生門」は1982年の発売よりあくなき品質の改善を続け、世界の人々を魅了するお酒として数々の栄誉をいただいております。
【新たな試み】
2009年から現6代目蔵元の長谷川香代とその娘の聡子による新たな試みとして、和歌山県で生産された原料を使った酒造りを始めました。技師でもある聡子が杜氏の指導のもと伝承されてきた技法を守りながら、農家の方々の協力を得て造っているお酒は「さとこのお酒」として発売以来、少しずつ着実に皆様の支持をひろげています。
2011年には日本酒を使った梅酒を販売銘柄のひとつに加え、これまでとはちがった爽やかな味わいを持つ梅酒として日本酒の苦手な方にもご好評をいただいております。